現代版「デルフォイの神託」としてのAI

pexels-photo-68824.jpeg2018年4月1日(日)

「デルフォイの神託」は、古代ギリシャの都市国家ポリスのひとつであったデルフォイにあった神殿にある世界最古の神託所でなされる神託として有名なものだった。そこでは神憑りのなった巫女から、謎めいた詩の形式で神託が告げられる。古代ギリシャの人々は、その神託を尊重し、それはポリスの政策決定にも影響を与えたそうだ。

そのような古代ギリシャ世界での「デルフォイの神託」が、今後は、AIによる分析や解析へと人類は長い歴史を経て移行していくということになる。AIの指す囲碁の手は、宇宙人の手だと呼ばれることもあるように、AIの解析は、一般の人間の論理や感覚、感性からはかけ離れたエーリアンのような思考回路と発想を伴っているように私たちには映るかもしれない。

たとえば、ある人がダイエットを試みようとしている。人間のアドバイスなら、運動しなさいとか、糖質制限であるとか、玄米食、マクロビオティック、規則正しい生活、ストレスを溜めない、など、割と、どこかで一度は聞いたことがあるような凡庸なアドバイスがなされやすいと思う。

 

それに対してAIは、ダイエットのために、こんな風にアドバイスしたとする。

「これからあなたは1年間、毎日、6食を食べるようにしなさい」

AIの下したこのアドバイスは、人間には理解不能ではないだろうか。ただ、これを人間的な理解力のレベルで推論するに、たとえば、このように食べ過ぎること、強いてそれを名付けるなら「過食ダイエット法」で、その実践者がそれを実行するうちに、糖尿病や癌などの大病を患って、それで激ヤセが生じ、ダイエットが本当に実現するのかもしれないし、あるいは食事量の急変と急増に、遺伝子に突然変異が生じて、急に太りづらい体質に変わるなど、そういう身体的なメカニズムや代謝の変化をAIが予測、分析しているのかもしれない。

ただ、それでも、なぜ、AIがダイエットのアドバイスに身体に危険そうな1日、6食もの過食を勧めているのかが、人間には皆目判らないのである。もちろん、実際に勇気ある被験者がこのAIのアドバイス通りに従って、身をもって実験をし、その効果を検証することも出来るであろうが、この過食により、実行者が甚大な健康被害を受けたり、日常生活に支障をきたすケースが考えられるので、倫理的な観点から言っても医学研究で治験する訳にもいかず、ただ、そうしたAIのアドバイスを鵜呑みにする、無謀な挑戦者たちを待つだけとなる。

このように、AIが謎めいた「デルフォイの神託」のような恐ろしいアドバイスを与えてくれても、人間はその宇宙人じみたAIの解析とアドバイスが本当に正しいのかどうかも判断できず、思考がフリーズしてしまう場面が、今後、多く出て来ることが考えられる。たとえば、政治家や公務員、官僚の一部をAIに代替させたとしよう。そのAI政治家やAI公務員、AI官僚の下す判断が本当に正しいのかどうかは、人間レベルの知力では決して判らない。

これがいわゆるAIの「ブラックボックス化」と言われている問題だ。「デルフォイの神託」の託宣が本当に正しいのかどうかが判らないのと同様に、AIの託宣も本当に正しいのかどうか判らない。こうして考えてみると、AIはデータサイエンスという高度な数学的衣装をまといながら、実は、巫女のような神秘的不可知性を伏在させているのではないだろうか。

普段、あまり、「AIは現代の神託だ」というような神秘主義的な見解には思い至らないものだけど、実態としては、それに近いのかもしれない。物理学などの科学でも、それを突き詰めていくと、そうした理解不能な領域(不可知)まで行けそうな感じがするように、AIもそうした不可知と未知を伏在させている。

 

今の日本の最重要課題は、これからの超高齢化社会をどうするのか、という問題だと思う。
そして、AIにその解決策を訊ねると、「消費税を0%にせよ」とのアドバイスがAIから得られたとする。消費税を0%にすることと、日本の超高齢化社会の問題を解決するのが、どのような理路と機制でつながっていくのか人間には皆目判らないが、とにかく、真に知的で卓越したAIは、そのように人間には直ちに理解不能な解析結果なり助言を提出するものだということは考えられる。ちなみに、単にそのAIの開発者が共産党の人間だったから、そのような恣意(志位)的な解析結果が出た、とも考えられるけど。

なぜなら、人間がすぐに思いつくようなレベルの一般的な解決案なら、わざわざ意思決定の場に実装の困難なAIを使うこともないであろうから。人間には簡単には見出せないような高度な判断や解決案を見出したいからAIを利用するのであって、誰にでも思いつくような凡庸な回答など、端からAIには求められていないのだ。

ということは、AIの非凡さというものは、AIの下す判断の理解しづらさ、不条理さと繋がっているようにも感じられるので、そうしたAIこそが、真に卓越したAIと言ってもいい気がする。ただそれと同時に、単にAI内部のバグなりデータの不具合や偏差でAIが誤謬推論をしているだけの恐れもあるので、そのAIの判断の正当性の是非が人間には困難になるのでないかと考えられる。いずれにしても、重大な意思決定をAIだけに委ねられる段階やフェーズにはまだ達してはおらず、テスラの自動運転車でも死傷者が出ているくらいなので、やはり、AIに完全にすべてを委ねられる段階からは、まだ遠いようにも感じられる。

ただ、よくよく考えてみると、人間のドライバーの運転でも毎日、世界各地で死傷者が出ているし、人間の判断や意思決定が間違っていることも多々あるので、AIだけに異常な水準の高さで完全性を求めて責めるというのも、アンフェアでおかしな話ではあると思う。

 

再度、今の日本の最重要課題は、超高齢化社会をどうするのか、という問題に戻り、AIに今日、そのアドバイスを求めてみよう。すると、AIの答えは、

「アントニオ猪木を次期、日本の総理大臣にせよ!!」

という俄かには信じ難い、衝撃的な内容だった。そういえば、この猪木議員は以前からよく北朝鮮に出向いていたようなので、そこに何か恐ろしく錯綜した、問題解決への理路が含まれているのかもしれない。あるいは、アントニオ猪木が次期、総理大臣になることで、最近、ようやく沈静化してきたかに見える北朝鮮の核ミサイルが、再度、日本の老人が多い居住地域に飛来してくる恐れやメカニズムが、彼が総理大臣になることで出来するのかもしれない。それとも、次期、総理大臣になった猪木議員の「元気ですか!!」の毎日の呼びかけで、魔法のように日本の超高齢化社会の問題が氷解するのかもしれない。また、同時に、拉致問題が解決されるたりするのかもしれない。

ただ、一番あり得そうな解釈は、たぶん、このAIは、今日が4月1日のエープリルフールなので、今日は少し出鱈目を言っても許されるかな、という判断だと、作者は推測してみた。

 

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